熊野磨崖仏 ~ 真木大堂 ~ 朝日・夕日観音 ~ 田染荘 ~ 空木峠池 ~ 高山寺
日本人の魂を訪ねて歩く旅――国東半島峯道ロングトレイルの起点となるのが、日本最大級の大きさを誇る熊野磨崖仏です。鬼が一夜にして積み上げたといわれる石段を下り、県道655号線に出た後は、県道をひたすら北上して真木大堂を目指します。真木大堂からは国東塔(くにさきとう)や五輪塔(ごりんとう)が立ち並ぶ古代公園の中の遊歩道を歩きます。やがて前方に太鼓橋が見えてきますので、それを渡って間戸園地(まどえんち)へ入ります。間戸園地の遊歩道からは眼下に国東半島・宇佐地域世界農業遺産のシンボルでもある複数の溜め池を見ることができます。遊歩道を抜けると、次は穴井戸観音(あないどかんのん)、朝日・夕日観音のある間戸岩屋(まどいわや)と呼ばれる岩峰へ登ります。この岩峰からの景色は素晴らしく、特に展望台から見下ろす田染荘の眺めは一見の価値があります。日本の原風景の代表ともいえる田染荘の田園風景を楽しんだ後は、岩峰を下り、先ほどまで眼下におさめていた田染荘小崎(おさき)地区へと入っていきます。金属製のゲートを抜けて、小崎地区に下ると目の前の田んぼの畦道を抜けて、二宮橋を渡り、延寿寺(えんじゅじ)の横を西叡山(さいえいざん)のある西の方向へ進んでいきます。途中、休憩場所に適したほたるの館があるので立ち寄って行きましょう。ほたるの館で休憩した後は、山間の舗装路を通って空木(うつぎ)地区へ進んでいきます。ルート上には愛宕社(あたごしゃ)や愛宕池、垢離場(こりば)、奥愛宕神社(おくあたごじんじゃ)など見どころがたくさんあります。空木の集落を抜けてさらに西叡山を登っていくと、やがて目の前に大きな溜め池が現れます。ここが空木峠池です。ここから先の山道は比較的平坦になってきますので、ここで一息入れて、かつて京より西を統括していたといわれる高山寺を目指しましょう。区間終点の高山寺には、空木峠池から1時間ほどで到着です。
熊野磨崖仏
日本最大級の大きさを誇る大分を代表する磨崖仏です。平安時代中期~鎌倉時代前期の作といわれ、岩肌に刻まれた不動明王像と大日如来像の柔らかな表情からは慈悲の心を感じることができます。
真木大堂
真木大堂の名で知られる馬城山伝乗寺(まきさんでんじょうじ)跡は、収蔵庫内に阿弥陀如来坐像をはじめ、日本一の大きさを誇る大威徳明王像、不動明王像、二童子立像、四天王立像の計9体の平安仏が保存・公開されています。